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「シアトル桜祭・日本文化祭」” 岡林信康シアトルコンサート”よせて |
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私はこの度、シアトル桜祭・日本文化祭実行委員会より招きを受け4月14日〜20日までシアトルに滞在し、笛、太鼓、三味線を交えたバンドメンバーと共に、コンサートを行う事になりました。
この20年間、私は自ら『エンヤトットミュージック』と名づけた音楽スタイルの確立を目指して来ましたがそれは、我が国の伝統的な民謡、盆踊りそして祭りの掛け声に受け継がれている日本のリズムをベースにした音楽スタイルを創り出せば、単なる西洋のコピーではない日本独自のオリジナルなロックミュージックが生まれるのではないかという思いに駆られたからです。 約20年前、ロンドンに於いて現地のミュージシャンから「いいかげんに俺達の真似は止めて日本のロックを聞かせろよ」とやや侮蔑的な調子で浴びせられたひと言がこの取り組みの切っ掛けとなりましたが、試行錯誤の末、約3年前にはある程度の完成に達していました。しかしフォークの神様というイメージとかけ離れたこのスタイルに観客の拒絶反応は強く、コンサートも激減、歌い手として非常に厳しい状況に置かれていただけに、海の向こうから舞い込んだエンヤトットを求める呼びかけに大いに励まされました。 在留邦人で構成される桜祭りの実行委員会にエンヤトットミュージックの存在を知らせてくれたのが長年親交のあるシアトル在住のフォークグループブラザースフォーのリーダー、紛れもなき西洋人であるボブ・フリック氏だったというのも何やら不思議な話です。 私のCDを彼にプレゼントしておいたのですがそれを実行委の方に聞かせてくれたらしいのです。 実行委員長の佐々木さんは出演要請の手紙でこう述べられています。 「岡林さんの山谷ブルースやチューリップのアップリケを懐かしく思われる在留邦人のファンもおられますが、ボブさんと私達が話したのはアメリカフォークソングの洗礼を受け、日本フォークの神様と言われた岡林信康が昇華した日本のソウルを『エンヤトット』でアメリカのオーディエンスにぶっつけてみたら日本フォークソング40年の大団円になるのではないかという事です。」 今、シアトルのヒーローはイチローです。 彼がバリーボンズに憧れ、その真似をしてホームランをねらってバットを振り回していたら、アメリカに於ける成功はなかったでしょう。日本人としての彼の体格に見合った打法を創り出し、それに徹したからこそ今日の評価があるのです。 シアトルに向かう私には、物真似ではない『エンヤトット』があります。ヒーローになれるのは自身に誇りを持ち心から自分を愛している者だけである事を、私は音楽で立証したいと思っています。 2004年3月 春近い京都にて 岡林信康 |
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「シアトル桜祭・日本文化祭」”イベント概要 |